( Projects )
“自然そのものを、一粒に。”
白糠町の魅力を伝える、いくらのブランディング。
Issue
「いくら」を通して町の魅力を伝える
北海道白糠町は特産品の魅力を発信するために「シラリカブランド」を立ち上げ、その第一弾として「シラリカいくら」を発表しました。ふるさと納税では人気があったものの、注目は商品のみに集まり、町そのものへの関心は十分ではありませんでした。そこで、いくらのブランド力向上を通じて、地域全体の存在感を高めることを目指しました。
Solution
コンセプトは「自然そのものを、一粒に。」
「自然そのものを、一粒に。」というコピーには、白糠町の自然や海の恵みが一粒のいくらに凝縮されているという想いを込めました。パッケージデザインにおいては、押し付けがましくないかたちで町の地図をグラフィックに落とし込むことで、手に取った人が白糠町という地域から直接届いた感覚を抱けるよう設計しました。生いくらを白、醤油漬けを紺色の箱として共通のエレメントを用いつつデザインすることで商品ラインナップの存在を意識させ、これまであまり一般流通してこなかった生いくらの存在も際立つように工夫。ロゴ部には箔押しを施すことで高級ブランドのような品質感を表現しました。
アイコニックなメインビジュアル
紺の背景に一粒のいくらを大胆に配置したメインビジュアルは、パンフレットやウェブなど幅広い媒体で展開され、一目で「シラリカいくら」とわかる力強さを持たせました。シンプルかつ印象的なデザインにより、いくらの魅力を際立たせるとともに、ブランド全体の統一感を高めています。
「単純明快さ」と「上質さ」を両立させたイベント空間
認知拡大のため東京・下北沢で実施したポップアップイベント「シラリカいくら食べ比べ亭」では、空間設計においていくらのイベントであることが一目で分かる"単純明快さ"と、いくら本来の品質の高さを表現する"上質さ"の両立を目指しました。412個の朱色の提灯は、和紙との相性が良い朱液(朱色の墨汁)を用いることで高い発色と適度な透け感を実現。照明を緩やかに動かすことで海中から見える波に揺られる太陽光を表現し、圧倒的な存在感と没入感を創出しました。実食する机には無塗装の無垢板、スツールには切り出したままの無垢材を使用することで、「自然そのものを、一粒に。」というコンセプトに合わせた上質さを体現。横幅5mの特注暖簾や屋外からも天井のいくらが見える設計により、白糠町の自然や風土を体感できる空間を実現しています。